めにゅーにもどる

01/12/24 放送 M-1GP 2001より 中川家

剛←中川 剛  礼←中川礼二

 

『笑いのDNA』

誰もが知るナニワの兄弟コンビ

笑いのDNAが息のあった漫才を可能とする。

結成9年。M-1への兆戦は今回が最初で最後。

このチャンスを生かし、笑いの歴史にその名を刻むことが出来るか!?

エントリーNo.438  right now! 中川家!!

 

剛&礼「どうもー!」

礼「よろしくお願いします。中川家です。まぁ、中川家といいまして兄弟で漫才やってますけども。」

剛「やってますけどもねー。」

礼「まぁ言うてもね、最近まぁ巷では危険なことが多いですから。」

剛「多いですよ。」

礼「皆さん気をつけてくださいよ。ホントに。」

剛「気をつけてください。ほんまに。」

礼「まぁ、特にね、電車なんかのってますとホームですわ。」

剛「うん。」

礼「駅員さんがよう言うてますやん。“駆け込み乗車おやめくださいー。”よう言うてます。」

剛「“あ、駆け込み・・・”」

礼「なにをやろうとしてんねん。勝手にやらんでええねん。」

剛「やらしてくれ。俺かて。」

礼「俺が喋ってんのやから。“駆け込み乗車おやめください”言うてね。」

剛「うん。」

礼「あれ、駆け込み乗車でそのまま電車乗れたらいいんですよ。」

剛「まぁねぇ。」

礼「これがまた乗られへんかったときが恥ずかしいんですよ。乗ろう思て乗られへんかった時ね。」

剛「だいたい多いね、ああいうのはね。」

礼「たいがい多いね。やっぱり年配のサラリーマンの人が多いですわ。」

剛「うん。」

礼「髪の毛はげちらかしたような感じ。えぇ。」

剛「はげたのにまだちらかすの?」

礼「ええやないか、もう。」

剛「どんなんやねん、それ。」

礼「そこまで言わんでええねん!別に。」

剛「おぅ。」

礼「そういう方が乗ろう思て乗られへん時。あれは恥ずかしいですよね。」

剛「はい。 ツツッ・・ツツッ・・ツツッツッ・・」

礼「なんで走ってんねん!」

剛「いや、乗られへんかったやん。」

礼「いや、ちがう。おかしいがな。乗ろう思て乗られへんかった。」

剛「乗られへんかったやん。」

礼「それやったら“乗らんとこ!”って思う。」

剛「乗られへんかったやん。」

礼「いや、だから、」

剛「乗られへんかったやん。」

礼「おまえムキになって言うとんねん。ちゃう。乗ろ・・」

剛「乗られへんかったやん!」

礼「うるさいな!もう!」

剛「プルルルッ、ツーッ(ドアが閉まる音)・・・」

礼「早いねん!早い!!」

剛「うるさい。」

礼「うるさいじゃない。」

剛「うるさいわ。」

礼「乗ろう思て乗られへんねん。」

剛「乗られへんかったやん!」

礼「それやったら“次の電車にしよ!”と思うやん。」

剛「うん。乗られへんかった。」

礼「いや、乗られへんかったやない。乗ろう思て乗られへん言うとんのやから。」

剛「プルルルルルルルルッ、ツーッ」

礼「(失敗)」

剛「・・・ツッ、ツーッ・・・。」

礼「(再失敗)」

剛「ツーッ(反対側、降りる)」

礼「小田急新宿駅かおまえは。」

剛「マンーッ・・・」

礼「マンーッは、電車の音はええねん。」

剛「あ、そうか。」

礼「新型の音はもっと“マンーーーーッウィーーーーンシーーーーッ!”や。

  なにを言うとんねん。わからんことすな。」

剛「あ、ねぇ、ほんとに。危険なこと多いですよ。」

礼「ま、多いですよね。危険な映像ゆうのが流れてきますからね。」

剛「うん。」

礼「えぇ、えぇ。」

剛「最近よう流すなぁ。あれ危険な映像ネタにして。」

礼「まぁそうそう。年に2回ぐらい。」

剛「決定的瞬間。」

礼「俺が言うねんそれは!もう全部、おまえはー。」

剛「あ、そうなん。」

礼「決定的瞬間スクープ99とかってやってますよ。」

剛「今度2002や。」

礼「まぁ、まぁたしかにそやわね。ああいうので1番多いのは川の事故ですわ。」

剛「怖いぞあれは。」

礼「あんなん怖いでしょ、ほんま川の事故。」

剛「見んの怖いのに聞くの怖いんやあれー。」

礼「僕ああいうの実際見たことあるんですよ。」

剛「えっ!!!(驚)」

礼「あ、びっくりした!!もう、おまえは。」

剛「見たことあんの!」

礼「そう。僕見たことあるんですよ。」

剛「水難事故!」

礼「水難事故です。」

剛「川の事故!」

礼「川の事故。台風の次の日でね。」

剛「うん!」

礼「僕犬飼うてるから河川敷散歩しとったんです。」

剛「犬。」

礼「ほんなら犬が急に川の方見て吠えだしよるんです。」

剛「ッワンワンワンッ!」

礼「もう、ええねん、だから。ええねん。ウワッと吠えるから。」

剛「ワン!」

礼「俺なんやろってパッと見たんや。」

剛「あっ!」

礼「おまえは見んでええねん!ちゃう、おまえは見んでええねん。」

剛「見たんちゃうの?」

礼「おまえこっから入ってくんな、ちょっと!おれパッと見たんや。」

剛「うん。」

礼「ほんなら子供が溺れてるんです。」

剛「ブワッヴワゥゥワァッブルル(溺)」

礼「もうええねん、ええねん。もう。」

剛「ブワッヴワゥ・・・」

礼「子供・・」

剛「助けて・・ブヴワッブルゥル・・」

礼「もう、くださいやあれへん。これはヤバイわ。思て」

剛「ヤバイ。」

礼「とりあえず川岸まで行ったけど川の流れが速いし」

剛「おぅ。」

礼「僕も入ったら死んでまうからやね。」

剛「うん。」

礼「子供の流れと一緒に僕は岸からずっと応援しとったんや。」

剛「応援して。」

礼「“大丈夫かー助けたるからなー”」

剛「“大丈夫かー”」

礼「“大丈夫かー!”」

剛「“クロールで行かれへんか?おまえ。”」

礼「誰やねん、おまえは!おまえ関係あれへん。入ってくんな言うてんねん、だから。」

剛「おぅ。」

礼「んでウァー言うとったんや。」

剛「言うとった。」

礼「そしたら川の流れがうまいこといってね」

剛「うん。」

礼「子供が川岸まで来て。」

剛「来て。」

礼「僕は子供を抱きかかえて一言ゆうてね。」

剛「“びしょびしょやな。”」

礼「そんなこと言うかー!あほ。」

剛「あ、心臓マッサージ。」

礼「俺がすんねん、それは!心臓マッサージガーッてやったら水をピュっと出してん。」

剛「ピュっと出して。」

礼「“あ゛ぁーー”ってなんか言いたそうにしてる。」

剛「うん。」

礼「大丈夫か?大丈夫か?」

剛「大丈夫か?」

礼「大丈夫やからな。言うて。」

剛「落ちつけよ。な!とりあえず」

礼「うんうん。」

剛「あの、コップ1杯の水飲め。」

礼「たらふく飲んどんねん!」

剛「スッとすんねん。」

礼「スッとせーへんわ!!これはヤバイわ、思てね。」

剛「うん。」

礼「とりあえずこうバーッ、ずっとやっとって。ほんで救急車呼ばなあかん。」

剛「ピーポーピーポー」

礼「早いねん来んのが!まだ呼んでない。119や。すいません救急車1台お願いします言うて。」

剛「ピーポーピーポー」

礼「あ、こっちですこっちです!」

剛「ピーポーピーポー」

礼「こっちこっち。」

剛「ファーオーファーオー」

礼「なんで通りすぎんねん!!」

剛「おっ!?」

礼「“お!?”っやあらへんがな。“お!”やあれへん。」

剛「ドップラー効果や。」

礼「ドップラー効果やあれへん。来んのや!」

剛「マンーーッ・・」

礼「バックの音はええねん!!で、僕は子供を抱きかかえて・・」

剛「(ついてく)」

礼「なんでおまえが来んねん!来んでええ!!ゆうてんのに。入ってくな!言うてんねん。」

剛「バン!」

礼「バン!なんやねん、バンて。そんなもんええねん。救急隊員がやんねやから。」

剛「ゴーッ!」

礼「ゴォーやあれへんがな。そのまま僕ウーッいうて。」

剛「バン!あいててててて!」

礼「わけのわからんことすな!!んで、病院ですわ。」

剛「病院行ったんや。ウゥー!!(サイレン)」

礼「ウゥーッおまえが運転せんでええねん。」

剛「あー、そう。」

礼「俺の話入ってくんな。」

剛「うんうん。」

礼「集中治療室。」

剛「集中治療室。」

礼「ICU。」

剛「ICU。」

礼「そう。電気がピッとついてね。」

剛「ピッとついて。」

礼「ほなもう治療が始まってるんですよ。」

剛「こうやってバーッ(ドア)はいるわな。」

礼「そんなんええねん!扉とかどうでも、細かいこと・・」

剛「ピッ、ピッ、ピッ」

礼「もう、ええねん!!そういう細かいこと。」

剛「ピッピッピッ」

礼「どうでもええ。」

剛「ピーーーー。」

礼「死んどるやないか。死んでもうとるやないか。あほ。」

剛「ピッ・・」

礼「どないやねん!ピピピやあれへんがな。ほんまに。」

剛「なんやねん。」

礼「ほんで僕ずっと願っとったんですわ。」

剛「願っとったんや。」

礼「大丈夫かな、大丈夫かな思たら。」

剛「うん。」

礼「ほな集中治療室の電気がパッと消えてね。」

剛「消えた!」

礼「ほなお医者さんが出てきはったんすよ。」

剛「あ、こんな感じや。」

礼「心配やから聞くじゃないですか。先生・・子供大丈夫ですか?」

剛「あ、私耳鼻科担当で・・。」

礼「出て来んでやん!何しに出てくんねん。耳鼻科担当で、言うて。」

剛「すいません。どこでしたっけねー?」

礼「どこでしたっけね、やあらへんがな。本館に決まっとるがな、そんなん。」

剛「あー、そうですか。」

礼「そうそう。とりあえずね。ほんでまぁまぁあとで警察と消防署から感謝状。

  “ありがとうございます。”」

剛「ありがとうございます。」

礼「いちいち出てくんな言うてんねん!!」

剛「なんやねん。おまえの話、なんか1コだけ不思議あるぞ。」

礼「なんやねんな。」

剛「犬どこ行ったん?」

礼「もうええわ。」



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