小杉「はい、どうも!よろしくお願いします。」 吉田「僕らふたりとも独身なんですけどもねー。」 小「そうですねー。」 吉「やっぱ今のうちからね。」 小「うん。」 吉「運命の人と出会った場合、最初にデートどこへ連れていくか、これが大事やと思うんやね。」 小「最初のデート悩むからね。」 吉「ええ。どういうとこ連れてったらええかな?」 小「ボーリングとか意外とええんちゃう?」 吉「あ、ボーリングな。」 小「二人でやって盛り上がって仲良くなるやん。」 吉「え、でもなー。」 小「なんや。」 吉「ボーリングってなんか汚いイメージあるやろ?」 小「汚いってなに?」 吉「例えば靴はみんなの使いまわしやしー。 ボーリングの球も誰が指入れたやわから<ん穴に入れなあかんやん。」 小「そんな風に考えたら汚ななんねん。そこはちゃんと洗てくれてあるよ。」 吉「で、男が選ぶ球なんて大概14ぐらいのもんやろ?」 小「まぁ14ポンド。」 吉「ほな俺が赤紫の14持ったら彼女が前の彼氏の事思い出して泣きよったらどうしようかなと思てな。」 小「んなやったら13選んだらええがな、別に。ほれやったらかぶれへんやんけ。」 吉「それやったら前の男より力ないみたいやんけ。」 小「ほな、15選べや!前の男より力あると思われるから大丈夫やんけ。」 吉「俺は自分に嘘ついてまで付き合いたくないねん!」 小「考えすぎや!ボール1コで思わへんよ。それが嫌やったら自分専用の、マイボール買うたらええやんけ。」 吉「簡単に買え買え言うなよ、おまえ!」 小「いや、買うしかあれへんやんけ。マイボール。」 吉「おまえ村上ファンドか!」 小「そんなでかいもん買え言うてへん。買い取れいうてへんがな。ボール1コ・・・」 吉「おう、ほんなら仮に買うとせえや。」 小「おぅ。」 吉「聞かなあかんこといっぱいあるぞ。」 小「なんやねん。」 吉「どんな球買うたらええねん。」 小「14ポンドの赤紫や言うとったやんけ。」 吉「おれが言うてんのは穴のおっきさや!」 小「指がなんや。」 吉「自分が買うとなったらやっぱりワンサイズ大きめの穴がええんかな?とか。」 小「なんでおっきめやねん。」 吉「指が成長した時のためや!」 小「なれへんよ!中学生が制服買うんちゃうねんぞ、おまえ。」 吉「逆にピタTが流行ったみたいにピタピタのボールが流行ってんちゃうかな?とか。」 小「いや、ピタピタやったらボール抜けへんからゲームになれへんやんけ。」 吉「そこまでピタピタな話してへんやろ!」 小「いや、例えばやん。」 吉「それやったら抜けたことが嬉しいわ!1本も倒れんでええわ! 『抜けた!やったー!』や!負けたやつどうすんねん!明日からこのまま生活しなあかんやろ!」 小「それは悪かったから、ちょうどええかんじのボールを買いーや。ほんなら・・・」 吉「買う方向で話進めんなって、おまえ!」 小「買うしかあれへんやんけ!だから!」 吉「ほな仮に買ったとせーや。」 小「おぅ!」 吉「あんな重たくて丸い球、何に入れて帰ったらええねん!」 小「専用のカバンが売ってるから買って入れてもって帰れや!」 吉「また買え買え言うてるやん!!なぁ。」 小「ほな・・・」 吉「これ以上金使うんはちゃうやろ!」 小「家からスーパーのビニールもってきて入れて帰れや!」 吉「・・破れるやん!おまえ、俺の家、上本町いうて大阪の坂の上やぞ。」 小「おう。」 吉「あんなとこで破れたら難波まで転がっていくわ!」 小「どこまで転がっていくねん。」 吉「せやろ。」 小「ほんなら3枚ぐらいスーパーのビニール持ってきて重ねて入れて帰ったら破れへんやん!」 吉「おまえスーパーの袋にあんな丸いもん入れとったら、 『ああ、あの人もう寒いのにまだスイカ買ってはる』と思われるやん!」 小「考えすぎや、言うてんねん!歩いて行くからやんけ!原付バイクで行けや! メット入れにボールがちょうどポコって入って、ブイーンって帰れるやろがい!」 吉「おまえ危機管理シミュレーション能力ゼロか!」 小「なにで怒られてんねん!」 吉「確かにメットの中に球は入るよ。」 小「入るやんけ!」 吉「けど交通事故を起こした場合や!」 小「おぅ!」 吉「車にぶつけられた時、本来5m飛ぶはずの事故が、あんな重たいもん乗してるから全然飛べへん。 ほんならそれ見てたおばちゃんが『ああ、あの子大丈夫やなー』思て 救急車呼んでくれへんかったらどうすんねん!」 小「書いとけや!!」 吉「何をや。」 小「ボーリングの球を積んでいるため、交通事故を起こした場合 実際より5m飛んでいるとお考えください、って書いとけやー!」 吉「おまえ、そんな字いっぱい書いたスクーター見たことあんのか!」 小「気付いて欲しいんやろがい!書くしかあれへんがな!」 吉「どこに書くねん、ほんなもん!」 小「こけたときに見えるように横にう書いとくねん!」 吉「書いたほうが下いったらどないすんねん。」 小「ほな省略して『+5m』ってでっかく書いとけや!」 吉「そこだけ見たらなんのことか分かれへんやないか!」 小「そう思った人は反対向けて見てくれるよ。」 吉「それやったら最初っからひっくりかえしてくださいって書いといたほうがええやろ!」 小「ひっくり返してくださいって書いて、ほんでこっちには+5m飛んで・・・」 吉「もうええわ、おまえ!!(叩」 小「びっくりした!・・・手出したらあかんやろ、おまえ。なんで手出すねん。」 吉「なぁ。」 小「なんやねん。」 吉「ボーリングってそんな大変なことじゃないと思うわ。」 小「いや、おまえが細かく考えるからこうなるんちゃうん。」 吉「ええ。もうええわ。おまえに相談したんが間違いや。 今後なにがあってもおまえなんかに相談せーへんわ。」 小「ほな誰に相談すんねんこれから!」 吉「いつも行ってる皮膚科の先生に相談する。」 小「なんでもんかんでも無理や。ありがとうございましたー。」
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