めにゅーにもどる

01/12/24 放送 M-1GP 2001より チュートリアル

福←福田充徳  徳←徳井義実

 

『お笑い陰陽師』

2人が出会ったのは幼稚園でのこと。

20年の間ともに歩み、夢見たお笑い界頂点への道。

コンビ結成から3年。

京都出身の2人がくりだす笑いの呪文は今夜も炸裂するか!?

エントリーNo.80  チュートリアル!

 

福田「はいどうもー。チュートリアルです。」

徳井「おねがいします。どうもこんにちわー。」

福「よろしくお願いしますー。頑張って漫才やっていきましょう。ほんとにね!」

徳「すいませんね、もう。顔面テッカテカですけども。」

福「(笑)ええがな!別に、おまえ。」

徳「すいません、ほんとにもう。」

福「すいませんやあらへん。」

徳「えぇ。」

福「そんなことよりね。」

徳「はいはい。」

福「最近昔話が懐かしいなぁと思いましてね。」

徳「あ、そうですか。」

福「ちっちゃい頃寝る前にお母さんによく読んでもらったじゃないですか。」

徳「読んでもうたねー。」

福「僕なんかシンデレラ読んでもらったりね。」

徳「あー、僕なんかあの、京都湯けむり殺人事件ね。」

福「寝ずらいな!!」

徳「お母さん、事件いつ起こんの?」

福「いやいや・・」

徳「うん?もうすぐな、このOLのみゆきさんていう人が鈍器のようなもので殴られるよ。」

福「怖すぎるやろ。」

徳「鈍器で!?」

福「なんで興奮してんねん!」

徳「鈍器で、鈍器…壷、壷ー!?」

福「なんでもええがな。鈍器の種類はなんでもええがな。」

徳「鈍器大好きっこやってん。」

福「どんなガキやねん。いや、僕他読んでもらったのは赤ずきんちゃんの話とかね。」

徳「赤ずきんちゃんな。好きなシーンがあるわけや。」

福「おぅおぅ。」

徳「赤ずきんちゃんが空港に走りこんでくるわけや。」

福「え?」

徳「“はぁ、はぁ、はぁ・・・・ちょっと待って。”」

福「え?」

徳「“もしも、こんなあたしでよかったら一緒にニューヨークついていくわ。”

  “赤ずきんちゃん・・・”」

福「ちょっと待てや!おまえ。おい!」

徳「“ダメだ・・・。赤ずきんちゃん。」

福「ダメだやない。」

徳「“お父さんの家を手伝うんだ。“」

福「いや、違うがな。赤ずきんちゃんのなんのシーンやねん、それ。」

徳「赤ずきんちゃんの彼氏がニューヨークに転勤になるシーンやないか。」

福「彼氏って誰やねん。」

徳「黒ずきんくんやないか。」

福「出てくるかー!」

徳「おまえ黒ずきんくん知らんのか?」

福「知らんよ。そんな奴。」

徳「赤ずきんちゃんの前の彼氏の青ずきんくんの友達の

  黄色ずきんくんの英会話学校が一緒の人やないか。」

福「ややこしいな、おまえ!全員ずきんかぶっとるやないか。」

徳「そんなワールドや。しょうがない。」

福「どんなワールドやねん。」

徳「そんなワールド。」

福「ちがうちがう。けど僕、中でも1番好きやったん桃太郎の話ね。」

徳「あれはあかんわ。」

福「なにがやねん。」

徳「長い。」

福「長いちゃう。」

徳「なんや、お婆が桃拾って家に持って帰ってー」

福「おぅおぅ。」

徳「ほんでなんか、桃が包丁で割ってー」

福「うん。」

徳「ほんで桃太郎出てきてー」

福「うん。」

徳「成長すんの待って、犬と猿とキジと集めて、ウワァーー!もう長い!!」

福「長いことはない。」

徳「もっと21世紀もっとスピーディーにいかんと、あかんよ。」

福「どうすんねん。」

徳「だからやなぁ・・」

福「うん。」

徳「川上から大きな桃がドンブラコ、ドンブラコ流れてきました。」

福「うんうん。」

徳「ふと見るとその桃にはもう既に割れやすいように切れ目が入っていて」

福「え?」

徳「なんやったら流されてるショックでもう半開きになっていました。」

福「嫌やわ!そんな桃。」

徳「その桃をおばあさんがポンと叩くとワンタッチでパカッと開いて」

福「うん。」

徳「中に桃太郎と犬とサルとキジがもう入っていました。」

福「全部入ってもうとるやないか!」

徳「すぐにでも鬼退治に行けます。」

福「いや、ちがうがな。」

徳「鬼退治セット。」

福「ちょっと待て、おまえ。なに?鬼退治セットて。どんなセットやねん。」

徳「セット内容言おか?」

福「おぅ。」

徳「まず、犬がポメラニアンや。」

福「えらいカワイイな!おまえ。」

徳「んで、サルがリスザルや。」

福「いや、可愛すぎて役たたへんやん。」

徳「で、キジが剥製や。」

福「邪魔やん!!剥製のキジむちゃむちゃ邪魔やないか。」

徳「剥製こう、持ってく。」

福「持っていくのー?!」

徳「たまにガンッ落すねん。“うわっ!取れた。ちゃっちい作りやなぁ、おい。”」

福「ちがうがな!!持っていってそんなん邪魔なるやん。持ってったら、そんなん。」

徳「いや、それが邪魔やったらやなぁ、その剥製の下に車輪4つ付けて。」

福「うん。」

徳「ロープ付けてこう、コロコロ引っ張って行く。」

福「ちょっと待ておまえ!」

徳「“通りますー”」

福「通りますやあらへんがな。そんなもん犬はいるわ、サルはいるわ、

  剥製のキジコロコローって連れてきた奴完全にあぁーッ!あほやがな!ほんまもん。

  “あーーー!”きたな、おまえ!」

徳「だから鬼をひかすのやないか。」

福「ひかすやあらへん。」

徳「鬼を精神的にひかすねん。」

福「いやいや。」

徳「“うわ・・・もうあいつはアカン。」

福「いや、違うがな。」

徳「“あれはアカンは。ええわ。あれはもう・・”」

福「ええわ、やない。」

徳「“絶対おかしいって。”」

福「いやいや。違うから。」

徳「“みんな村行くなよ!キジコロコロのやつおるぞ。”」

福「なんちゅーあだ名やねん!」

徳「“キジコロリストおる。”」

福「なにを言うとんねん。」

徳「“コロリストおる。ぜったいあれはあかんわ。”」

福「コロリストやあらへん。ええ話や、言うてんねん。」

徳「ほなもうストーリー変えよ。」

福「どうやって。」

徳「ドラマティックに展開しよう。恋愛の要素入れて。」

福「恋愛の要素?」

徳「だから、桃太郎くんが成長しはんねん。」

福「ほぅほぅ。」

徳「一人前の男や。」

福「ほぅほぅ。」

徳「ほんなら彼女の一人も出来るわな。」

福「彼女できんのかいな。」

徳「そう。で、ある日桃太郎くんはやなぁ」

福「うん。」

徳「その彼女にな」

福「うん。」

徳「自分は桃太郎やから鬼退治に行かなあかんのやと告げに行くわけや。」

福「うん。」

徳「近所のあの、寺の境内かなんかで待ち合わせしはんねん。」

福「お寺で。」

徳「うん。もう、気分はオープンカフェや。」

福「またちゃうやろ。」

徳「待ってはんねん。」

福「ほぅほぅ。」

徳「“花ちゃん遅いなぁ・・”」

福「花ちゃん?!」

徳「“あ!花ちゃん!こっちこっち!”  “桃っち!”」

福「ダサッ!“桃っち”ダサッ!あだ名つけられてるやん、おまえ。」

徳「“なに?急に話って。” “あ・・・、実は・・・実は俺” “ストップ!”」 

福「いやいや・・アタマ大丈夫か!?」

徳「“まさか・・・鬼退治に行くなんて言わないよね?”」

福「いわな話にならへんがな。」

徳「“実はそうなんだ。”」

福「いやいやいや・・」

徳「“桃っちよく考えて。相手鬼なんだよ?桃っちもしかしたら死んじゃうかもしれないよ!”」

福「いやいや・・」

徳「“ねぇ、桃っちが死んだらあたしどうしたらいいの?”」

福「いやいや、どうしたん?おまえ。」

徳「“そんなこと言われても、俺桃太郎だから。”」

福そらそやろ。おまえそらそやろ。」

徳「“如何せん、桃太郎だから!”」

福「いかんせん、はおかしいやん。」

徳「(困)」

福「いやいや(笑)キモチワルっ!」

徳「“桃っちはあたしと鬼退治とどっちが大事なの?” 」

福「いやいや・・。」

徳「“そんなこと言わないでくれよ。”  “なーんてね。”」

福「ごっつ腹立つわ!!ごっつ腹立つ、こんなやつ。」

徳「“ちょっと困らしてみたかったんだ。”」

福「いやいやいやいや・・」

徳「“あたしが止めてもどうせ行くんでしょ、鬼退治。”」

福「そらそやろ、おまえ。」

徳「“桃っちの夢だもんね。”」

福「別に夢とかやないやろ、おまえ。」

徳「“そのために鬼退治専門学校行ったんだもんね。”」

福「どこ行ってんねん!生徒一人しか居ーひんやろ、そんなもんおまえ。」

徳「“いっといでよ。”」

福「いやいやいや・・」

徳「“あたしずっと待ってるから。”」

福「はよいけや、それやったら。」

徳「“ずっと待ってるから!”」

福「はよ行ったらええがな。」

徳「“花ちゃん・・・。ありがとう!” ガッ “あ、キスはダメよ。”」

福「なにしとんねん、おまえ!」

徳「“おばあさんが見てる。”」

福「ウソー!?」

徳「

福「お婆ごっつ見てた!!お婆ごっつ見てるやん。」

徳「“おじいさーん!”」

福「なんでおじい呼んでんねん。」

徳「“おじいさん、桃太郎がエロいでー!!”」

福「いやいや、エロいで、やあらへんがな。」

徳「“ねぇ、桃っち。だからキスは鬼退治のあとで。”」

福「いつまで続くねんこれ。」

徳「“キスぐらいいいだろ!俺たちもう31だぜ、もう。おい!”」

福「ちょっと待てぇー!おい!」

徳「“31だ、脱げ!おい!”」

福「おいー!!」

徳「“押さえろ!押さえろ!こいつ”」

福「ちょっと待て、おまえ!」

徳「なにがやねん。」

福「どんだけ年いってんねん。」

徳「だから鬼退治行け行け言われて“明日行くわ、明日行くわ”言うて31なってもうてん。」

福「年いき過ぎやろ、それ!」

徳「間を逃がしてん。」

福「むちゃくちゃやないか。」

徳「ええねん。これ言うてな」

福「おぅ。」

徳「教訓を教えんねん。」

福「なんのやねんな。」

徳「今日出来ることは今日しましょういうて。」

福「もうええわ。」



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