『東京の星』 商社マンに旅行代理店。ともに元サラリーマンという異色の経歴を持つ二人組。 東京勢の中で唯一決勝へと勝ち残りました。 結成6年。都会的センスで独自の笑いを生む東京の星。 関西勢のライバルをなぎ倒しM-1王者を目指す。 エントリーNo855 おぎやはぎ! |
小木「小木でーす!」 矢作「矢作です!」 小&矢「おぎやはぎです!」 小「よーし決まりました。」 矢「決まりました。」 小「えー、はい。」 矢「はい。」 小「早速なんですけどね。」 矢「おぅ。」 小「俺ね。歌手になろうと思ってるわけよ。」 矢「おいーほいほいほい。」 小「うん。」 矢「ムリだろー、おまえ。」 小「なんでなんで?」 矢「下手なんだから。歌が、おまえ。」 小「いや、下手とか言ってもね歌手なんてたいてい歌下手なの。」 矢「うん。」 小「ね?あんなのレコーディングの時に機材でいくらでも出来んのよ。そんなもの。」 矢「まぁ、そういうの、話は聞いたことあんね。」 小「でしょ?」 矢「実際ライブでは下手だった、みたいなね。」 小「そうそうそうそう。」 矢「やってみる?」 小「だから俺でも絶対大丈夫なの。」 矢「やってみる?」 小「うん。」 矢「じゃあ俺、音楽プロデューサーやってやっからよ。」 小「おぅ。わかったわ、わかった。」 矢「じゃあちょっとレコーディングやってみようか。じゃあ。」 小「はいはい。頼むわ。」 矢「はい!小木さん!」 小「あい!」 矢「んじゃあね」 小「はい。」 矢「あの例のサビの部分。」 小「はい。」 矢「今日録っちゃいますんで。」 小「はい。」 矢「“夢の中では言えたのに〜 君の前では言〜え〜な〜い〜WOW”のとこ。」 小「はい。」 矢「行きますよー。じゃ流しまーす。」 小「はい。わかりましたー。」 矢「行きますよー。」 小「あい!♪あ、夢の中では〜」 矢「“あ”が入ってんだ。“あ”が、おまえ。“あ、夢の〜♪”つっちゃってんじゃん。おまえ。」 小「あ、そう。」 矢「“あ”を入れんなよ。」 小「うん。」 矢「“夢の〜♪”だよ。」 小「あ、夢の〜♪」 矢「ほら入ってんじゃん。もう1回もう1回。」 小「あ、夢の〜♪」 矢「ほらもう。更にはっきり入ってるよ。今のはさすがにわかんだろ、入ってんの。」 小「うん。今のはさすがにわかる。」 矢「そうだよな。」 小「うん。」 矢「分かんなよ。」 小「うん。」 矢「入れんなよ。」 小「わかったわかった。」 矢「“ゆ”!“あ”じゃなくて“ゆ”だよ。」 小「OKOKOK。」 矢「はい。小木さん!」 小「あい!」 矢「行きますよー、録り直し。」 小「あい!♪ゆ、夢の中では〜」 矢「ちょっとちょっと。“あ”を“ゆ”に変えろって意味じゃねーんだよ。」 小「あ、違うの?」 矢「違うよ。“ゆ”1コだよ。“夢の”だよ。」 小「夢の。」 矢「そうそうそう。」 小「夢の。」 矢「OKOKOK。」 小「OKOK。」 矢「はい、小木さん!」 小「あい!」 矢「録り直していきますよー。」 小「♪夢の中では言えたのに〜 あ、君の前では〜」 矢「あー!あー!おしい。おしいなぁ、おまえ。」 小「なに?おしいって。」 矢「最初言えたのに。“君の”の前に“あ”入っちゃった。」 小「入ってた?俺。」 矢「“あ、君の〜”つってた。」 小「ゆってた?」 矢「ちょっと練習。ちょっとやってみ?」 小「♪あ、君の〜」 矢「ほら。ほら入ってるじゃん。もっかいやってみ?」 小「♪あ、君の〜」 矢「もう〜。更に入ってんだよ。今のはわかんだろ?さすがに。」 小「今のはね、分かる分かる。」 矢「だから分かんなよ、おまえ。」 小「恥ずかしいぐらい分かった、今。」 矢「そうだよな。」 小「うん。」 矢「“ゆ”になってる。」 小「うん、わかった。」 矢「“き”。」 小「♪き、君の〜」 矢「だからなんでなんで?」 小「君。」 矢「“あ”を“き”に変えろじゃないの。“君”。」 小「君の。」 矢「OK。」 小「うん。」 矢「そう。♪夢の 君の。」 小「夢の 君の。」 矢「あい!行きますよ!小木さん!」 小「OK!あい!♪夢の中では言えたのに〜 君の前では言〜え〜な〜い〜 フフ〜♪」 矢「・・・・。ちょっと最後中途半端だなぁ。」 小「うん。」 矢「なぁ。」 小「はいはい。」 矢「言うんだったら言う。言わないんだったら言わない方がいい。」 小「あ、そう。」 矢「今のフフー♪ぐらいだとレコーディング上おばけの声入ったみたいになっちゃうから。」 小「あー、はいはいはいはい。」 矢「うん。ダメだな。おまえな。」 小「なに?ダメだってよー。おまえさ、さっきから文句ばっか言ってっけどー」 矢「うん。」 小「ね?俺はそんな歌が上手くないつったでしょ?」 矢「うん。」 小「ね?俺の才能は詞なの。」 矢「あー、あーそうなの?」 小「詞を書くことがすっごい才能あんの。」 矢「あー、そうなの?あ、まぁ確かに詞がよけりゃ売れたりするからな。」 小「そう。だから今日かいてきたんだよ。詞をよ。」 矢「あ。そうなの?」 小「ちょっと読んでいい?」 矢「うん。いいよ、いいよ。」 小「料金の高いボーリング場は客足が遠のくという話を聞いた。ターキーを出した者には」 矢「うん。」 小「賞品を進呈というサービスを行ったが」 矢「うん。」 小「1度離れた客は容易には取り戻せやしないのさ」 矢「ちょっといい?ちょっといい?」 小「うん?」 矢「誰をターゲットにしてんの?」 小「いや、これ、だから、ボーリング場の」 矢「うん。」 小「その経営不振を訴えてるの、俺は。」 矢「狭いよ。狭い。ターゲットが。それボーリング場経営してる人しか分かんねーだろ、そんなの。」 小「あぁ、あぁ。まぁでも次サビなの。サビ。サビ聞いて。」 矢「あぁ、あぁ。」 小「16オンスじゃ重過ぎる」 矢「うん。」 小「14オンスじゃ軽過ぎる」 矢「うん。」 小「ちょうどいいオンスが見つからないのさ フー」 矢「あ、フーは決まりなんだ。」 小「うん。そこはね。」 矢「16オンスじゃ重過ぎて」 小「うん。」 矢「14オンスじゃ軽過ぎんだろ?」 小「うん。」 矢「15使やいいじゃねーかよ。」ちょうどいいオンス見つかっちゃったじゃないかよ。」 小「そういうの見つけないで。そういうの。ね。」 矢「いや、見つけないでっていうか、見つかっちゃうもん。」 小「ま、でも俺がね、詞かいたから。」 矢「うん。」 小「こっちのがね」 矢「うん。」 小「気持ちが入るの。俺歌ってて。」 矢「そう。」 小「俺の詞だから。」 矢「やってみる?」 小「だからこれでちょっとやろうよ。」 矢「♪16オンスじゃ重すぎる〜 小「うん。」 矢「♪14オンスじゃ軽すぎる〜♪」 小「あぁ。」 矢「うん。」 小「あ、いいね、いいね。それで頼むわ。」 矢「じゃ、おぎさん!」 小「あい!」 矢「行きますよー!」 小「♪あ、16オンス・・・」 矢「“あ”!!いい加減にしろ。」 |